2015年3月、すべてのレコーディングに先駆けて鉤貫レム役の斉藤壮馬さんによる「Dance with Devils」の皮切りとなるキャラクターソングのレコーディングが行われた。

迫る様なストリングスで始まるゴシック調の楽曲に、斉藤壮馬さんが息を吹き込んで行く。

レコーディングは、キー(音域)の確認から始まった。スタジオで歌唱者本人が実際に歌う事で、音の響きやイメージを確認して行くのだ。鉤貫レムのキャラクター性も踏まえ、最終的に最初のデモ音源よりも低いキーで収録を進める事となった。

馴染みのあるキーが突然、変更されると、とっさの対応も難しくなるものだが、斉藤さんは急なキーの変化にも柔軟かつ着実に対応し、スムーズに本録が開始された。

コントロール・ルームでは「Dance with Devils」の音楽プロデューサー・藤田淳平さん（Elements Garden）、吉村 愛監督がそれぞれ確認し合いながら、音楽と言うフィルターを通したひとつの" 鉤貫レム"像を作り上げて行く。レムのキャラクターソングの作編曲・喜多智弘さん（Elements Garden）のディレクションにより、スタッフからのまとまった意見がレコーディングブースの斉藤さんに伝えられて行く。

どんなディレクションにも的確に応えて行く斉藤さん。
レコーディングブースから「はい、分かりました！」応える声がとても気持ちいい。

通常のレコーディングと比較して、今回のレコーディングは要望が非常に特殊である。歌うにあたり、まずはシチュエーションの確認をする。歌だけではなく、シチュエーション・お芝居を要求されているのだ。

中には「偉そうにお願いします！」と言うディレクションも（！）　そんな特殊な要望にもどんどん応えて行く斉藤さん。
歌詞の1部を台詞調にアレンジするなど、" 鉤貫レム"の楽曲が完成されて行く。

「リツカに向かって、セクシーな感じで」
と言う要望も飛び出し、ブースから返って来る期待以上にセクシーなパフォーマンスに、ディレクションブースからは「カッコイイ!!」と声が飛び出す場面も。 全員でのやり取りを重ね、しっかりと流れを固めて1コーラスを収録。 全てを録音した後には、その録音した音声に合わせハーモニーパートも録音するのだが、ハモリ部分のキー変更にも瞬時に対応した斉藤さんの音感はかなりの物であると言える。

録り終えた音源を、ディレクターズ・チェアに座り確認する斉藤壮馬さん。 優しく微笑みつつも、真剣な眼差しが非常に印象的だった。